倉沢谷・長尾谷


2001年7月21日 晴れ
メンバー 横山(単独)

以前奥多摩三ツドッケからの帰り道、棒杭尾根を下った時に長尾谷の出合を通った。その時のとても明るく綺麗な沢の印象が忘れられず、いつかは行きたいと思っていたが今日やっと遡行することが出来た。

奥多摩から東日原行きバスで倉沢下車。林道を50分程歩き地蔵橋を渡った辺りから道が狭まり谷沿いに少し行くと入渓地点となる。
前来た時は秋だったため落葉も終わり明るい感じだったが、今日は緑も生い茂り苔むした岩が日本庭園の様な雰囲気を醸しだしている。

入渓地点からすぐの5m滝は左側を登る。釜には小さい魚が沢山いた。
続く3m滝はホールドが細かいがどうにか登れた。
しばらく行くと木橋が掛けられている。次から次へと小滝が続き大岩がある2段10mは右から回りこみ、現れた5m堰堤を右から越えるとしばらく平凡な流れとなり水線沿いに歩ける。
入渓しているパーティもなくまったくの独り占め、なんと贅沢な事か。
4mのナメ滝上部で左岸から割と新しいガレがあり沢が埋まっていた。
二俣手前で蝉しぐれを聞きながら1本取り、さぁと立ち上がった時一瞬だったが自分の体が水、木々、空気すべての自然と一体化したような感じがした。不思議な体験だった。下界の小さな悩み事なぞどうでも良くなった。山と森の精霊に感謝の言葉を贈った、登らせてくれてありがとうと。

2:1の二俣は右俣に進むと右岸にガレがあり、そこでカモシカの親子と出会う。奥多摩ではシカ、猿、黄テン、リス等は見たこどあるがカモシカには初めて遭遇した。
しばらくして右岸からの支沢を見て進むが、ここら辺りから倒木、ボサが多くなる。続く5m滝は直登した。

ガイドブックには8m×15mのナメ滝があると書いてありこの沢の核心かと思っていたが知らないうちに通り過ぎ、狭まった6m滝を登り、急斜面になって来たのでかすかな踏跡がある右岸のスズタケ帯に入ったが途中から踏跡が無くなってしまい猛烈な藪コギとなってしまった。四方をスズタケに囲まれ中々身動きが取れないし急斜面で上部も見えない。どうにかこうにか掻き分けながらしばらく行くとやっと踏跡を見つけ、息も絶え絶え登ると長沢背稜の登山道に出てほっと一安心。最後まで直進すれば良かったかも知れない。装備を解きしばし休憩。

帰路は蕎麦粒山から鳥屋戸尾根を下る。途中までは笹払いがしてあり歩きやすいが、笙の岩山手前でこの先悪路のため柱谷林道へ迂回されたしの看板が立てかけてある。以前は問題もなく通れたのでそのまま進む。笙の岩山を過ぎてから所々不明瞭な個所が出てくるので目印を見逃さずに歩けば川乗橋のバス停すぐ手前に降りることが出来た。
登攀的要素は無いが思った通り良い沢だった。もう一度紅葉が終わる頃遡行したいと思う。あの不思議な感覚をもう一度体験するためにも。

タイム
倉沢バス停8:50→入渓10:00→二段10m滝10:30→二俣
11:13→登山道12:35 55→笙の岩山13:50→川乗橋バス停14:35




                                                                                                    
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