4年振りの谷川・一ノ倉沢 衝立岩ダイレクトカンテ

    2003.6.7    曇りのち小雨
    Nさん、Kさん、Shukla
 
    当初の予定では土曜に凹状岸壁、日曜にダイレクトカンテの予定だったが天候の関係で急遽土曜に
   ダイレクトカンテを登る事になった。4年振りの谷川で初めての衝立、それも人工ルートは初体験なのだが
   特に緊張感はなかった。アプローチは今回スニーカーだったのでアイゼンを付けて登り、出合から中央稜
   基部下まで1時間で到着。それにしてもこの日の一ノ倉はクライマーの数が凄くてテールリッジでは渋滞する
   程だった。入門ルートの南稜は相当な混み様だったに違いない。
    食料、水分を補給してからダイレクトカンテの取付きまで衝立スラブをトラバースしてアンザイレンテラス
    まで行くのだがブッシュが多くて足元は良く見えないし滑るしで結構悪く感じた。
    テラスからは15m程下降し取付きに着いた。
    1P目 W+ 40m
    ガイドブックには草付きの容易なフェースと書いてあるが岩は浮いているし支点は無いしで結構悪かった。
    登攀開始は8時頃だったかな。 2P目を登っている先行Pのトップを見ると結構苦労している様に見えた。
    2P目 A2  40m
    3人組の先行Pが上部に行くまで暫く待ってからいよいよ人工登攀の開始。
   フレーク状の岩を右にトラバースすると ハングにぶつかるのでラインを左上、垂直な凹角を直上し40mで
    確保地点に着く。しかしこのフレーク叩くとボコボコ音がしていて不安定極まりない。
   リーダーはフリーが下手なフォローの為に自分のアブミ1個を途中残置して1本でリードしてくれました。
  

    
       2P目最初のトラバース           

            
           2P目のKさん             雲稜第2の大ハング

  リーダーも慎重登っている様で結構時間がかかったが確保地点に着きビレイ解除。
  フォローはまずKさんが先行、5m程間を空けて自分が続いたが今日が初本ちゃんのKさんイマイチ調子が
  悪そうですぐ間隔が詰まってしまう。又ランナーのロープの外し忘れを何度もやってしまい結構無駄な力を
  使っている様に見えた。その間自分はアブミの巻き込み体勢で待っていたのだが今回これが一番堪えた。
  このピッチでは途中ハーケンが抜けてぶら下がっていたり、今にもちぎれそうだったりと相当支点が老朽化
  して いて3P目よりも悪く感じた。またハーケンに残置してあるスリングもポロポロでアブミを掛けるのも躊躇
   われる物も数多くあったが自分には結構遠くてギリギリ届くかどうかの状態が多く使わざるを得なかった。
  (背が低いのでチョンボ棒があれば楽だったと思うのだが)
  到着した確保地点は幅20cm位しかなくどうみてもテラスと呼べる物ではなくゆっくり休んでなんていられない
  場所だった。
  3P目 A2  20m
  3P目もNさんがトップで行く事になり今度は自分がビレイした。(リードさせようと思ったらしいが支点が余り
  にも悪いので諦めたとの事)ルートは更に凹角を直上、大ハングにぶつかるので右側に少しトラバースし
   カンテ上に抜け出る。途中危ない支点があると抜けるかも知れないから頼みますよとか言われるので
   こちらも思わずビレイに力が入ってしまった。
   ビレイをしている最中ガスが急に湧いてきて遠くで雷が鳴り出した。どうにか雨だけは降らないで欲しいと
   思わずにはいられなかった。苦戦していた隣の雲稜第2のパーティは早々に撤退を決めた様だった。
  このピッチは自分が2番目で登る事にしたが最初の出だしがアブミに乗ると身体が振られる感じで嫌らしく
  中々思い切って行けなかった。又途中20cm四方の岩を触ったらグラグラ浮いていて今にも落ちそうだっ
  た。カンテ上に抜ける所はこのルートの核心部なのでピトンの数は多いのだがやはり遠い所が何箇所か
  あったがどうにか核心を抜け確保地点に着いたがテラスはないのて゜アブミビレイ。
   ビレイを替わりKさんを確保したがこのアブミビレイ長時間すると太腿が痛くて参りました。
   Kさんもどうにか登って来たがこの時既に14:40。

   リーダーは悩んだ末、4P目を登り始めたが右にトラバースして姿が見えなくなった所でこの先更に支点が
   悪くて相当時間がかかりそうだという事で戻ってきた。結局ここで撤退する事になり15:00下降を開始。
   空懸2回(50mロープでギリギリ)でダイレクトカンテの取付きに戻り、更に衝立スラブをそのまま4Pテール
   リッジの真中位まで懸垂で下りた。最後のピッチ辺りから小雨も降り始め雷鳴も大分近づいて来たので
   早々にテールリッジを下り出合に戻った。駐車場着19:15、長い1日が終わった。
 
   今回最終ピッチが登れず完登出来なかったが今回の状況(支点が老朽化、初めての人工等)では仕方が
   なかったと思うがまだまだ練習不足という感じだった。
   又色々な場面で状況判断、支点工作など課題も沢山あったので今後もトレーニンク゛に励みたい。



                                                           
  
  
 
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